交通インフラと旅行(山、温泉)

旧タイトル:静岡空港と常温核融合を応援するBLOG

2024年8月の温泉と山 赤石温泉、馬曲温泉、北八ヶ岳

8月半ばに2泊3日で、北八ヶ岳天狗岳(標高2646m)を含めた、温泉旅行並びに山行をしてきました。1日めは、まず赤石温泉(山梨県富士川町)に日帰り入浴で寄って、噂になっていた「混浴露天が混浴でなくなった」を実地で調べつつ、入浴してきました。噂は真実で、露天風呂は入口のところで完全に男女別に分けられていました。メインの4つの浴槽は全て男性区画。男女別になっていた脱衣所は敷居を取っ払って男性専用脱衣所になり、新たにシャワールームが併設されました。女性専用区画は、かつて混浴露天の時からあった女性専用露天区画がそのままあてがわれており、女性はその区画の中で脱衣するようです。そちら方面にあったシャワーを男性は使えなくなったことから、新たにシャワールームを設けたのでしょう。

赤石温泉のキャンプ場と(元)混浴露天(今は別浴)の入口

なぜこのようになったのか?は、読者の皆様のご想像におまかせします。

次に私は車を走らせ、清里も野辺山も立ち寄らずに突破して、佐久から高速道路に入りました。目的地は馬曲(まぐせ)温泉です。豊田飯山ICで降りて信濃川を渡って木島平に入り、木島平スキー場に向かう道を左に曲がって坂道を駆け上がり、馬曲温泉に達しました。男女別の内湯はやや狭く、多客期にこなせるか心配になりましたが、いったん外に出て下ったところにある露天風呂は、テレビ番組などで紹介されている通り良い眺め(彼方の木島平スキー場のロッジと向かい合う)の広々とした湯でした。男女別に隔てる土手があり、男女のカップルは残念ながら坂道に入るところで左右にわかれなければなりません。1990年代に刊行された、嵐山光三郎さん著の秘湯紹介本では、上のほうから男湯を写した写真があって、男女間の仕切りが不完全のように写っていましたが、今は完全な仕切りとなっていて、ドアがありますが、当然、鍵がかかっているのでしょうね。確かめませんでしたが。お湯はぬるめで透明、じっくりと体を温めてくれました。この施設を出て木島平のところに戻ると、かつて木島平駅があったのだろうなあ、と感じさせる街路・交差点の造りになっていました。

馬曲温泉、望郷の湯の露天風呂に下る坂道が始まるところ 木島平スキー場を望む

昨年夏は、北陸新幹線飯山線を経由しての列車の旅で泊まったビジネスホテル、ノーブル飯山に今回も泊まりました。駐車場が広いので、駐車スペースの心配が不要です。夕食を取りに出かけて、車窓から見て感じたことは、飯山駅北飯山駅の間に位置する、シャッター街と形容すべき旧市街と、それより長野市側のロードサイドショップ・レストラン街の興隆です。アメリカ合衆国のように車で移動する街となっていました。

翌日は上田駅まで走って息子と合流。そこから本沢温泉の登山口にある駐車場まで行きました。この駐車場から本沢温泉まで標高差は600メートルほどありますが、単調な登りであることと、最後まで林道(?)と感じさせる1メートル程度の道幅、傾斜もきつくないことから、楽な登りで、それほどの標高差を感じませんでした。途中まで車で上がって何台か停めるスペースもありますが、車にとっては悪路であることと、対向車と出会ったらすれ違いスペースが無く難儀するのが確実なので、正規駐車場に停めることをお薦めします。本沢温泉まで登り路1時間30分くらい、下り道1時間15分程度です。途中、本沢の渓谷側に崩壊している箇所があり、木や鉄製の小橋がかかっているので、それを通って通過するところがあります。転落の危険もあるので要注意です。

本沢温泉旅館は、秘湯を守る会の会員宿で、宿泊するとスタンプ帳にスタンプをもらえます。宿泊料やビールなど追加オーダー代金は前払いです。山奥なので、刺身等の、他の会員宿で提供するようなメニューは期待できませんが、山小屋として考えれば、第一級の設備、食事、サービスです。男女別の内湯(石鹸、シャンプー不可)は浴槽の蓋をはずして入り、入浴後は蓋をすることになっています。お湯はほどよい硫黄分のこってりとした湯で、来て良かったなと感じさせてくれます。著名な露天風呂へは山道を10分ほど行きます。危険な箇所もありますので、サンダルではなく登山靴で行ったほうがいい。宿を出て登りはじめ、天狗岳山頂に分かれるところを直進して進み、夏沢峠・硫黄岳方面への山道と別れて斜面を下り、到達します。けっこうな斜面に築かれた露天風呂であり(この風呂を写した過去の色々な写真では斜度が感じられません)、脱衣所もありません。私が行ったときは無風でしたが、風のある日には衣服が吹き飛ばされない対策が必要でしょう。でも、荒々しい硫黄岳から流れ落ちる本沢の流れをながめながらの入浴は、いつまでもずっと浸かっていたい気にさせました。私が入浴していた時間帯には男性だけ、多いときは八人くらい(ぎりぎり)がお湯につかり、残念ながら女性客とは出会いませんでしたが、なんと松本駅からテントをかついではるばる歩いて来た方とか、温泉、山談義に花が咲きました。

本沢温泉の露天風呂  写真ではカットされていますが、沢の奥の硫黄岳の荒々しい山稜には圧倒されます

翌日、朝食後、露天風呂にもう一度行って朝風呂。宿を出てからは、天狗岳には登らず、まっすぐに本沢口駐車場へと下山しました。佐久地区の道の駅で地元の野菜を買い求め(買いそびれた米は、後で群馬県の道の駅八ッ場ふるさと館で買いました)、中軽井沢では数少ない裏道を通ってなんとか深刻な渋滞を回避し、あとは鬼押出しをすいすい抜けて、万座鹿沢口経由で万座温泉に達しました。この日、中軽井沢を過ぎてからは何度も豪雨に見舞われましたが、万座温泉から草津にかけてはきわめて視界が良好なベストドライブでした。この日に日帰り入浴した施設は、万座温泉の豊国館、尻焼温泉、大塚温泉金井旅館です。どれも混浴可能な露天風呂(金井旅館は古い内湯も)があります、尻焼温泉(河原)は、水着で入浴するファミリーがほとんどで、男数人が頑固に全裸(河原ではタオルで下半身を隠すように指導されているとのこと)で入浴していました。金井旅館は「通」の方々でにぎわっていましたが、詳細の報告は割愛します。夕暮れ時となり、豪雨の中をロマンチック街道を抜け(途中、あの津川雅彦ロックハート城も初めて目にして)、沼田ICで関越道に入って(その頃には雨はあがっていた)帰京しました。