交通インフラと旅行(山、温泉)

旧タイトル:静岡空港と常温核融合を応援するBLOG

大韓航空(KE)のソウル・静岡便運休について(2)

開港から5年近くになり、その間、国際情勢、航空業界情勢も大きく変化し、その変化をふまえて今後の打開策を検討していくうえで、現時点で思いつくアイデアは・・・

長崎空港にジンエアー(大韓航空グループ)が就航しているように、静岡空港もジンエアーに就航を要請するという手もある。だが、多少運賃が安くなっても利用者がふえる見込みがないのであれば、無理することはない。韓国国内の旅行代理店の意見を聞いて、韓国人観光客の日本旅行需要について調査し、入念にマーケティングする必要がある。

むしろ当面は国内線の乗客増で国際線の乗客減を補う戦略が必要だ。福岡便の増便や、新規路線の開設、ANA, FDA以外の航空会社の誘致に力を入れる必要がある。開港時点(2009年)では、国内線の運賃は本当に高かった。今は、LCCの台頭で、レガシーも料金を下げており、その効果と中韓離れで、日本国民の観光旅行需要が中韓から日本国内に流れている。この状況をうまく活用し、新幹線を通常利用している人が静岡空港を利用するようになるという誘導策を行っていくべきだ。新規路線としては、佐賀、北九州などがその候補かな?と思う。春秋日本に路線開設を要請するのも手ではないかと思う。

国際線に関しては、アシアナ、中国東方、中華航空が撤退するといった最悪の事態を防ぐために、静岡県民に利用呼びかけ、増便>利用増というプラス方向の相乗・スパイラル効果が出てくるように推進していくべきだ。中国東方は、大韓よりも搭乗率が低いのに静岡便を維持しているのだから(松山便は運休予定)、特に大事にしなければいけない会社だ。(昨今、日本のマスコミでは中国叩きが激しい。私事ではあるが、筆者が関係する上海近郊の会社の社員とEメールで交信したが、その業務執行レベルの高さに驚いた。日本にこもっているだけでは、日本の発展はありえない。日中関係の発展は、日本にとっても生命線であることを改めて認識すべきだ。)

香港、東南アジアなど、他の就航先については・・・
タイ航空の仙台便が就航直後に運休になったように、あまり無理はできない。特にタイあたりからだと、B737A320だと航続距離に問題があり、B767A330で運航せざるを得ないが、そのような大型の機材を満たすほどの需要は見込めないという問題点がある。B737 MAXやA320 NEOのように小型で航続距離の長い新機種のデリバリーが始まれば、東南アジアの航空会社が静岡就航を真剣に検討してくれると思う。(なにしろ、羽田・成田は混雑が激しく、空港での駐機・タキシングに長い時間を要し、彼らにとってはコストアップ要因)大穴はフィリピン。オープンスカイ協定の発効、それから、在日フィリピン人の里帰り需要の大きさを考えると、潜在的需要は大きい。オープンスカイによって、まず成田、関西などで新規路線開設・増便が予定されているが、その利用が好調に推移すれば、静岡も という話も出てくるだろう。フィリピンから小型機で飛来する場合、羽田・成田で折り返すよりも静岡で折り返すほうが燃費節減になることをフィリピンの航空会社にアピールできるだろう。
(終わり)