交通インフラと旅行(山、温泉)

旧タイトル:静岡空港と常温核融合を応援するBLOG

長崎県平戸、佐賀県伊万里、有田(その2)

「ビジネスホテル平戸」に泊まり、翌日は、たびら平戸口駅まで西肥バスで戻って、松浦鉄道伊万里行きに乗車。鉄道ファンには著名な木々のトンネル(沿線樹木の剪定基準がJRと異なるためでしょうか?)をいくつも潜り抜けます。松浦の火力発電所や魚市場(アジ・サバの水揚げ高日本一を誇っていました)の脇を通り、やがて伊万里駅に着きました。

伊万里駅国鉄時代には広大なヤードのある大きな駅でしたが、松浦線第三セクター化に伴い、JR筑肥線の駅と完全に分離され、かつての駅中心部を幹線道路が貫いています。2つの駅舎を行き交うには道路の上の横断橋経由となり、2つの駅舎のそれぞれに二階に上がるための階段・エレベータが設置されている。

伊万里駅の駅舎 左(東側)がJR筑肥線、右(西側)が松浦鉄道

松浦鉄道の駅の二階には、「伊万里・鍋島ギャラリー」(入場無料)があり、「鍋島・古伊万里展~青磁・染付・色絵の世界~」が開催されていました。伊万里の滞在時間が少ない観光客にとっては重宝。伊万里駅から北に昔の伊万里港に向かって歩くと、橋の欄干などに古伊万里を模した大きな焼き物オブジェが多数ありました。もちろん「模した」現代の作品ではありますが、それでもかなり高価と思われます。屋外・道路脇という破損恐れにある場所に設置した地元行政有志の方々の「気前の良さ」がしのばれます。

伊万里市内の相生橋

相生橋のたもとの定食屋さんで昼食をとった後、再び松浦鉄道列車に乗り、有田へと向かいました。この区間玄海に流れ込む水系と有明海に流れ込む水系との分水嶺を通過しているのですが、ほぼ平坦で、列車の車窓から確認するのが難しかった。途中に蔵宿(ぞうしゅく)という駅があり、もちろん今では無人駅ですが、古い木造駅舎をレストランとして活用。ホームにもオープン席がある、従って列車を見ながら食事できるとあって、平日の昼過ぎなのに大勢の客(若い友人、ファミリーが多い)で賑わっていました。

有田駅に着いたら、なにしろ初めて訪れた場所で(日本中あるいは世界中に知れ渡った地名ですが)、とにかくタクシーに乗ってみたら、駅からみて南方の丘にある「佐賀県立九州陶磁文化館」を勧められました。それは大きな陶磁博物館で様々なコンセプトの展示があり、しかも入場無料。雰囲気のよい喫茶コーナーがあり、そこでは陶磁器の販売もしています。

この文化館から歩いて有田駅に戻ってもさほど遠くはありません。駅前のKILN ARITA(観光案内所)で聞くと、様々な窯元・陶磁器屋さんに立ち寄りながら歩くのに最適なのは、やはり有田駅から上有田駅にわたって街道筋に続く内山地区とのこと。この地区のスポットはかなり長い距離に渡っているし、有田駅からもっと離れた場所にも色々なスポット(例えば春の有田焼祭りの時だけ入れる泉山磁石場などなど)が点在しているので陶磁器スポット巡りにはレンタカーが好適とのことでした。この案内所にはレンタカー業務の受付もあります。

さて、最後の行程は、有田駅から佐世保線列車、早岐駅大村線列車に乗り換え、大村駅長崎県営バスに乗って長崎空港です。佐世保線普通列車は、無人駅ではバスのように運転手が料金収受、切符チェックを行いますが、大村線では無人駅でも全てのドアが開き、そこで降車する客はICカードJR九州専用。SUICAは使えない)をタッチするか、乗車券を駅改札の収受箱に投入を案内されます。大村駅ですら、私が出場した夕刻は駅員不在でした。これでキセル防止ができるのが多少疑問ではありました。大村線の新型ハイブリッド車輛のシートは豪華なデザイン。しかも(恐らくその長さでは日本の鉄道路線随一と思われる)波打ち際区間から見る大村湾の夕暮れの光景は忘れがたいほどの美しさがありました。これだけ豪華な車内なのに大村市内の高校最寄り駅までは、ひとつの車両あたり2、3人ほどの乗客しかおりませんでした。

長崎県営バス諫早駅大村駅長崎空港)も西肥バスと同様、SUICAによる支払いOK。長崎空港で帰京便を待つ間に寄った寿司屋のちらし寿司はネタのボリュームがあり鮮度も良く食べ応えがありました。

JR大村線ハイブリッド車両車内