交通インフラと旅行(山、温泉)

旧タイトル:静岡空港と常温核融合を応援するBLOG

東鳴子(大沼、いさぜん)、鳴子(農民の家)、鬼首かんけつ泉

最近、鳴子周辺の秘湯巡り、現状視察に行って参りました。泊まったのは東鳴子(駅名は鳴子御殿湯)の旅館大沼(日本秘湯を守る会会員宿)といさぜん(砂膳)です。

まず、大沼ですが、いさぜん(駅のすぐ近く)よりは遠いものの、駅から歩いて数分です。写真の黒壁の棟が玄関、お風呂、食堂などのあるところで、著名な薬師千人風呂(混浴。女性専用時間帯あり)は黒い車の背後の黒壁のすぐ向こうにありました。

旅館大沼

隣接するピンク色の棟(市営住宅のような)は宿泊棟です。私はその一室(単独客向け)に泊まりました。千人風呂には男女別の入り口・脱衣所があり、女性用入口は女性専用内湯の浴室入口と共通になっています。その他に貸し切り(内鍵方式、予約不要)の内湯ひとつと「ふかし風呂」、足湯がこの一角に集積しています。残念なのは午前9時にこれらの風呂が清掃のために一斉に入浴不可となること。衛生維持のためやむを得ないのでしょう。下の写真は貸切庭園露天風呂「母里(もり)の湯」。宿泊客に対して車での送迎サービスがあり、30分交代制です。

母里の湯

大沼さんの料理は、鳴子産の大豆を使った自家製納豆など「湯食同泉」の薬膳料理。館内を流れる音楽、千人風呂の壁画などなど・・・芸術に造詣の深い女将さんのお人柄とともに、すばらしい一夜を過ごせた宿でした。

翌日は鳴子の温泉旅館街へ、以前から気になっていた「農民の家」の現状を見にいきました。

農民の家の玄関に貼っていた紙

この写真のような紙が玄関に貼ってありました。倒産後、石巻市のサンユー社が再建に乗り出したが、コロナ騒動の中で機器・部品の供給が滞っていて営業再開できない、というところまでは報道されています。私が訪れた6月半ばの時点でも状況は変わっていないようです。そこにサンユーの軽車両が到着。二名の方々が館内に入って工事を行うような感じです。聞いてみたところ、やはり状況変わらずで具体的な再開時期未定とのことです。高い位置から見下ろすと、農民の家は本当に巨大施設。コロナのせいもあるが、このような大きい施設の内装・機器を修復していくのには長い時間がかかるのでしょう。

農民の家の外観

次に、鬼首(おにこうべ)の間欠泉「かんけつ泉」に行きました。行きかえりとも大崎市のミニバンタイプのバスです。観光客の大半はマイカーやチャーターバスで訪れると思われ、乗客はほとんど私ひとり状態でした。地域の足を守るため。皆さん積極的に利用しましょう。平日ということもあり、かんけつ泉の入場者はとても少ない。2016年に私が訪れたアイスランドゲイシルが大勢の海外観光客で大賑わいだったのと比較して、寂しい限り。昼食で食べたちまき&温泉卵&味噌汁セット650円などなど、色々と魅力のあるところなので、皆さんもっと立ち寄って欲しいです。とはいっても、間欠泉から噴き出す大量の湯を活用した露天風呂は、なんと足湯になっていました。作で囲った内部で裸になるのもダメ・・・ということでした。他の観光客に見られようとへっちゃらで大空の下、全身入浴が楽しみという人々も多かったと思われ、残念です。

かんけつ泉の露天風呂(その1)

かんけつ泉の露天風呂(その2)私の指先が写っていました。

2晩めの宿は「いさぜん」。今は日帰り、素泊まりのみで営業しており、猫3匹が出迎えてくれる宿です。入館して思い出しました。いさぜんさんは、大のトラキチとして有名なのです。

いさぜんの館内通路の壁

男女別浴内湯(重曹泉。2つあって交代制)のガラン、桶にも黄色と黒の装飾が施され、といった感じです。混浴の炭酸泉(四角浴槽。ぬるい)と鉄鉱泉(ひょうたん半分形浴槽。熱い)へはそれぞれ下り階段がありますが、脱衣所は男女共通で、2つの浴槽の仕切りも短くて行き来自由です。昭和の風情にひたってのんびりと浸かりながら、鉄道ファンなら、すぐ近くを通る陸羽東線の車両のガタゴト音にも歓喜し、忘れ得ぬ湯治の夜を過ごすことになるでしょう。

混浴の炭酸泉

混浴の鉄鉱泉